この記事は、初めて行政書士に依頼することを検討している個人や事業者を対象に、依頼する前に知っておいたほうが良いことを解説します。
行政書士とは? 業務内容と役割
行政書士の業務は、おもに次のような書類の作成です。
- 官公署に提出する書類
- 権利義務に関する書類
- 事実証明に関する書類
「官公署」とは例えば市役所など、国又は地方公共団体の諸機関を指します。
「権利義務に関する書類」は権利の発生・消滅等の効果を生じさせたいときに作る書類で、例えば売買契約書や遺産分割協議書などがこれに当たります。
「事実証明に関する書類」とは例えば自動車登録事項証明書などです。
簡単にいえば、人から依頼を受けて報酬をもらい、これらの書類を作成するのが行政書士の仕事といえます。
行政書士に依頼できること・できないことを具体例で解説
行政書士に依頼できることの代表的な例として、次のようなものがあります。
- 遺言書草案の作成補助
- 遺産分割協議書の作成
- 戸籍等の取得代行
- 各種許認可の申請書類の作成と提出
- 契約書や覚書の作成
- 在留資格申請書類の作成
- 会社設立時の定款作成や認証手続きの補助
これらは行政書士の代表的な業務です。
この他にも行政書士が請け負うことのできる業務は多岐にわたります。
一方、行政書士に「依頼できないこと」として、おもに次のようなものがあります。
- 争いごとの解決
- 税の申告
- 税務相談
- 会社設立登記
- 不動産登記
上のような業務はそれぞれ、法令上、基本的には他の士業(弁護士や税理士、司法書士等)が行います。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士の違いと連携ポイント
例えば、行政書士が遺産分割協議書の作成依頼を受けていたが、途中から相続人間で相続に関することで意見が対立し、訴訟にまで発展してしまった。
このような場合には、争いごとの解決は弁護士に依頼する、ということになります。
また、「私が払う相続税はいくらになりそう?」などの具体的な質問(税務相談)には、たとえ無料であっても行政書士は答えることはできません。
このようなときに行政書士ができるのは、国税庁のウェブページに掲載されている相続税に関する資料を紹介するなどの一般的な案内のみとなります。
具体的な税務相談や相続税の申告書作成は税理士が行います。
そして遺産のなかに土地や建物があれば「相続登記」は司法書士が担当することとなります。
会社設立を例にすれば、会社設立時の定款や申請書類の作成を行政書士が担当し、設立登記申請は司法書士が、法的な争訟が発生した場合は弁護士が対応するといった連携が必要となってきます。
もし行政書士のホームページに「相続税の申告」や「登記」等ができる、という文言があったら注意が必要です。
当該行政書士がそれらの業務をしてはならないということを知らないか、ホームページの記載を修正し忘れている可能性が考えられます。
(行政書士事務所が税理士や司法書士と兼業しているならそれらの業務を行うことができる場合はあります)
行政書士に依頼する際には、「どこまで対応できるか」「他士業の連携先はあるか」などの確認をしておくと良いでしょう。