特定建設業とは?

建設業許可には、「一般建設業」と「特定建設業」があります。

これは許可を受ける業種ごと(全部で29業種あります)に取得するもので、同一の建設業者が同じ業種について一般建設業と特定建設業の両方の許可を受けることはできません。

ただし、たとえば「建築一式工事は特定建設業、大工工事は一般建設業」というように、業種ごとに分けて一般と特定の許可を取得することは可能です。

特定建設業の取得が必要かどうかは工事の金額で決まります。

あなたが発注者から直接請け負った(元請)建設工事で、下請業者との契約額(下請契約が複数の場合は、その総額)が以下の金額の場合は特定建設業の取得が必要です。

  • 建築工事一式の場合は8,000万円以上
  • それ以外の建設業の場合は5,000万円以上

※なお、この下請契約の総額には、元請負人が提供する材料等の価格は含まれません。あくまで純粋な下請代金で計算します

上記未満の契約額の場合は、特定建設業である必要はなく、一般建設業でOKです(特定建設業を取得しても構いません)。

また、元請ではなく下請の場合も、特定建設業を取得する義務はなく、一般建設業で大丈夫です。

特定建設業者と一般建設業者の相違点

特定建設業者と一般建設業者では、以下のような相違点があります。

  • 許可を取得・維持するためのハードル
  • 法的な義務や管理・事務負担の度合い

以下、それぞれ説明します。

許可を取得・維持するためのハードル

特定建設業の許可は、下請業者を保護する目的から非常に厳しい財務要件が課されています。

「資本金2,000万円以上」「自己資本4,000万円以上」「欠損の額が資本金の20%を超えない」「流動比率75%以上」という4つの厳しい条件をすべて満たす必要があります。

これと比べて一般建設業の場合は、「自己資本が500万円以上」「500万円以上の資金調達能力がある」「直前5年間許可を受けて継続して営業した実績がある」のいずれか一つを満たせばよいため、資金面でのハードルが特定建設業と比べると低くなっています。

さらに、技術者の確保のハードルもあります。

特定建設業では、営業所に常勤する「専任技術者」や、工事現場を管理する「監理技術者」として、原則として1級の国家資格者等を配置しなければなりません。

一般建設業(2級資格者や10年の実務経験等で可)と比べると、有資格者の確保という面でもハードルが高くなっています。

法的な義務や管理・事務負担の度合い

特定建設業者が元請として工事を行う場合、現場に参加する全ての下請業者が法令(建設業法や労働基準法など)に違反しないように指導に努め、違反があれば是正を指導し、それでも従わない場合は許可行政庁へ通報するという重い指導・監督義務が課せられます。

一般建設業者には、このような特定建設業者特有の重い法的な指導義務は課せられません。

さらに、特定建設業者が元請として下請代金5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事を行う場合、下請業者の施工分担関係を明確にするための「施工体制台帳」や「施工体系図」を作成し、現場に備え付けたり掲示したりする義務も生じます。

まとめ

自社が元請として5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)を下請けに出す工事を行わないのであれば、あえて特定建設業者になる必要はなく、一般建設業者でいるほうが、資金面や現場での管理責任等の面で会社への負担が少なくなります。

自社が特定建設業の許可を取る必要があるのか、一般建設業で良いのか、詳しくは行政書士にお問い合わせください。

クイズ

📝 建設業許可クイズ:一般と特定の違い