未加入だと許可が取れない!? 建設業許可の必須要件「適切な社会保険への加入」を徹底解説【6大要件その2】

未加入だと許可が取れない!? 建設業許可の必須要件「適切な社会保険への加入」を徹底解説【6大要件その2】

1. 令和2年の法改正で厳格化! 社会保険の加入が「絶対条件」に

建設業許可の6大要件ふたつめは、「適切な社会保険への加入」です。

以前は社会保険に未加入でも許可を取ることができましたが、令和2年10月の建設業法改正により、適切な保険への加入が必須の要件となりました。

未加入で要件を満たさない場合、新規の許可を受けられないのはもちろん、5年に一度の更新も認められなくなりました

2. 加入が必要な「3つの保険」と「すべての営業所」のルール

建設業許可における「適切な社会保険」は、以下の3つを指します。

  1. ・健康保険
  2. ・厚生年金保険
  3. ・雇用保険

以上3つの保険について、法令上の加入義務がある場合に、適切に加入している必要があります。

(法令上の加入義務がない事業者は加入していなくても許可が受けられる場合があります。この点は後述します)

また、本店だけでなく、「すべての営業所」に関して加入手続きを行っている必要があります。

3. うちは入らなくてもいい? 「適用除外」になるケースとは

では、すべての業者が先述の3つの保険に必ず入らなければならないかというと、そうではありません。

法令上、保険への加入義務がない「適用除外」のケースもあります。法人と個人で場合分けして以下に解説します。

法人の場合

健康保険・厚生年金保険
社長1人でも強制加入となります。法人ならどんな場合も必ず加入しなければなりません。

雇用保険
「労働者」を1人でも雇っていれば強制加入となります。1人も雇っていない場合は適用除外となり加入義務はありません。

個人事業主の場合

健康保険・厚生年金保険
個人事業主で従業員が5人未満(=4人以下)の場合は適用除外となり加入義務はありません。この場合は国民健康保険・国民年金でOKです。
しかし、個人事業主でも従業員を5人以上雇う場合は適用となり、健康保険・厚生年金保険への加入が必要となります。

雇用保険
「労働者」を1人でも雇っていれば強制加入となります。1人も雇っていない場合は適用除外となり加入義務はありません。

このように、適用除外=保険への加入義務がない事業者は、その保険に入らなくても、建設業許可の取得においては問題はありません。

しかし、たとえ法令上は加入義務がなく、保険に加入せずに建設業許可を受けられたとしても、
元請業者から「保険加入していない業者は現場に入れない」という条件を提示されるケースも多く、
実際問題としては加入しているほうが望ましいといえるかもしれません。

4. 審査をクリアするための「確認書類」は何を準備する?

では、保険に加入していることを証明するためには、行政庁にどのような書類を提出しなければならないのでしょうか。

健康保険・厚生年金保険

健康保険・厚生年金保険に加入していることを証明するためには、直近の「領収証書」または「納入証明書」などを提出することになります。

「領収証書」または「納入証明書」をもし紛失した場合は、所轄の年金事務所に申請書を提出することで取得できます。

法人設立後すぐの場合

法人設立後間もない場合は、上記の書類はまだないため提出することができません。
この場合、建設業許可申請をする際は、新規加入手続き後に発行される「健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書」の写しなどを添付します。
(※手続き中でまだ通知書がない場合は、受付印のある届出書の控えで代用できるケースもあります。)
そして、後日「領収証書」または「納入証明書」などが発行され次第、追加で提出するという流れになります。

雇用保険

雇用保険については、直近の「労働保険概算・確定保険料申告書」の控えおよび「領収済通知書」などを提出します。

法人設立後すぐの場合

法人設立後間もない場合は、新規加入手続き後に発行される「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」の写しなどを添付し、「労働保険概算・確定保険料申告書」の控えおよび「領収済通知書」などが発行され次第、追加で提出します。

注意点として、法改正によりこれらの確認書類は「窓口での提示」ではなく、「写しの提出」へとルールが厳格化されています。

5. 許可取得後も要注意! 保険状況が変わったときの「変更届」

建設業許可を取った後に、保険の加入状況が変わる場合があります。たとえば従業員数が変わった時などです。

従業員数が変わっただけであれば、年に一度提出する「決算変更届」と一緒に報告すればOKです。

しかし、個人事業から法人成りして新たに健康保険に加入したなど、従業員数以外の加入状況が変わった場合は、
その事実が発生してから2週間以内という非常に短い期限で変更届を出さなければなりません。

速やかに変更届を提出するためには、保険の状況が変わるときには、あらかじめ行政書士に知らせるようにすることをおすすめします。

    6. まとめ:自社の保険状況が不安な方は、行政書士へご相談を!

    社会保険制度はやや複雑で、「うちは適用除外になるのか?」「必要な証明書類が手元に見当たらないけどどうしたらいい?」など、自社だけで判断するのは難しいケースが多いといえます。

    悩む前に建設業許可申請の専門家である行政書士へ相談されることを強くおすすめします。

         ⇩

    「行政書士西村ともひろ事務所のホームページ」

    クイズ

    第1問 / 全2問

    この記事を書いた人 Wrote this article

    西村ともひろ

    行政書士。 京都府城陽市で令和8年5月開業予定。 【保有資格】 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級FP技能士/日本FP協会認定AFP/日商簿記2級